記憶と個性の謎

後天的な障害によって短期記憶ができなくなってしまった方のドキュメンタリーを観た。

 

新しい物事を記憶することができなくなってしまったようだが、過去の記憶はしっかり持っているように見える。言語障害もないし、受け答えもはっきりしている。そして何といっても表情豊かで、彼、彼女のパーソナリティを感じさせる。

 

別の事例を調べてみると、発症の前後で性格が変わったというものもあった。なくなった記憶が与えたと思われる影響がなくなり、以前の性格に戻ったという。

 

記憶の定着について言えば、何回も繰り返すことで長期記憶として、記憶できるようになるらしい。

長期記憶はニューロンが決まったネットワークを繰り返しなぞることで形成される。

 

繰り返し反復作業をする。繰り返し思考をする。そうすることで記憶を定着させる。

同じように、怒ったり笑ったりを何度も繰り返すうちに、パターンを記憶に残す。

記憶の定着とパーソナリティ形成はある程度関係しているのかもしれない。

 

幼少期からの脳の発達によって、知らず知らずのうちに自らの感情や思考を処理する方法を記憶しているのかもしれない。ただそうなると、同じ環境で育った方々に十色の性格が現れるのは別の深い原因がありそうだ。