プライドにみる真の自己

子どもをふつうに育てたい 長山靖生 著

 

私は単に自分は自分だと思っているだけだ。だから私は「万能感」や「(理想化された)本当の自分」ではなく、今ここにいる自分を正確に把握する努力をしている自分にプライドを持っている。

思うに人間のプライドというものは、誰かとの比較によって生まれる感情ではない。それは劣等感や優越感とも関係ないもので、その人の全人格の統一性にかかわる感情である。「自分が自分であることにプライドを持つ」というのは、虚構の自分に依存しないということである。

(中略)

「自分のやっていること」しかできていないのが「今の本当の自分」で、「自分はかくありたい」と夢想している「理想としての(ありたい、あるべき)自分」は、「自分のやるべきこと」という一段高いハードルの向こうにいる。